イズミの主義



こんな空いてんのになんでわざわざここ座るかね



そう思いながら相手の顔を見上げる




「どーも」




涼しい顔でそう言うのは桐原



そして当たり前のように前に座る





な、なんで




「なんでいつも当たり前のように出てくんの」




「さぁーて
どうしてでしょう」


楽しそうに頬杖をつきながら真っ直ぐわたしを見る





ま、まさか


この人




「つけてきたの?」



「ううん、ついてきただけ」



「一緒じゃん!!つけてきたんじゃん!!」


「よく言うなぁー
何回呼んでも無視してたのだれ?」


「えっ、うそ」



全然気づかなかった



確かにここまで来た記憶あんまないかも…





「だからさ、こういうときのために連絡先教えて」



何度も回避してきたこのくだり…




「ヤダ」



連絡先まで知られたらわたしの自由はきっと保障されない



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