イズミの主義
「やった
じゃあ、連れ向こうにいるからそこまで行こ」
わたしたちはプールから出て男の後をついていく
つばきは
「チョーイケメンじゃない?」
とわたしに耳打ちしてくる
「さっき言ってた好きな人は?」
「んーそんなのいたっけ?」
と、てへっと笑う
すんごい小悪魔
いや、悪魔だ
スタスタと歩いているといつの間にか男のとなりをキープして楽しそうに話しているつばき
ある意味見習わなければならない
何気なくあたりを見渡すと見覚えのある顔が椅子に座ってケータイをいじってる
ちょ、ちょっ
………き、桐原!!?
ま、間違いない
3度見ほどしたが桐原であることに残念ながら間違いない
ど、どうしよ
わたしは水着だし絶対見られたくない
一番見られたくない人
しかも、昨日言われたこと無視して帰ったし…
絶対なにか言われる
顔を隠しながら二人の後をついていく