イズミの主義



「あれーあいつどこ行ったんだ
ちょっと待って、電話するから」



男が電話しているうちにつばきを捕まえる



「今日早く帰ろ、ちょっと問題発生」


「どした?」


「一番会いたくない人がいる」


「だれ?」


「前言った塾の「あー、来た来た」




わたしの言葉を遮って男が"連れ"を呼ぶ



「ごめーん、お待たせ」



と、現れたチャラ男②







……………




……その男の顔を見てわたしは固まった




そう




桐原だったから







なんてベタな話なの?





ほんとにほんとについてない!




そんなわたしをよそに



「あー、泉ちゃんだ」



とてもチャラく手まで振ってくる




「「二人、知り合い?」」



と、声を揃えて聞く二人




「ちょっとね………」


気まずそうに答えるわたし





桐原は……






わたしをずっと見ている








……そうだ、わたし



水着だったんだ…………
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