イズミの主義
「で、昨日帰ったんだよね」
「そ、それはっ!」
正論を説こうと後を振り返ると予想以上の顔の近さ
正論なんて引っ込んじゃって静かに前を向く
「オレから離れんなって言ったのに」
優しく強い声が耳元で響く
そしてわたしの肩に顔を乗っける桐原
「今日だってこんな格好でプールとか来てるし?」
それは自由じゃね?
「オレ以外の男が見るとか許せねぇー」
なんか、カップルの会話じゃないっすか?
ダメダメ、流されちゃ
そう思って離れようとした
すると桐原がぎゅっと抱きしめてわたしを逃がさない
「ちょっ、みんないるって」
「みんながいなきゃ良いの?」
とイジワルな声が帰ってくる
もうなんも言わない方がいいの?
イヤ、でもこの状態は明らかにおかしい
I am right!!
「ほんと離してよ!セクハラじゃんっ!」
「なに?エロおやじ?」
「そこまで言ってない!」
パシャッと桐原に水をかけておもいっきり足をバタつかせて逃げる
でも
「きゃっ」
すぐに捕まる