イズミの主義



「よくやってくれたよなぁー?」




そう言って桐原はうきわを引っ張る



うきわで浮かんでいるわたしはもちろん逃げれない



「ゴメンー、ハナシテー、ユルシテー」



「なに、その棒読み」


黙々と水のなかを泳いでいく




「桐原さーん、桐原さまー」



わたしの声なんて無視





そして連れてこられたのは滝のように水が流れ落ちているところ




桐原はニヤニヤしながらわたしを見る


完璧に何か企んでいる





ま、まさか


滝に打たせるつもり、、、!?






わたしは苦笑いでゆっくり首を横にふる



でも桐原は笑顔でゆっくり首を縦にふる



こ、こいつ鬼だーー!





何倍にしてやり返んだよ!





わたしは桐原の腕を強く掴む



「おーい、啓
俺ら帰るけど?」



男がつばきを連れてそう叫ぶ




「泉ー、永司くんと帰るけどまだいる?」



もう下の名前で呼んでるよ





「わたしも帰るっ!」




これを回避するには今帰るしかない



桐原の顔を見ると



うわっ



全然帰る気なさそーー
< 92 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop