イズミの主義
「よくやってくれたよなぁー?」
そう言って桐原はうきわを引っ張る
うきわで浮かんでいるわたしはもちろん逃げれない
「ゴメンー、ハナシテー、ユルシテー」
「なに、その棒読み」
黙々と水のなかを泳いでいく
「桐原さーん、桐原さまー」
わたしの声なんて無視
そして連れてこられたのは滝のように水が流れ落ちているところ
桐原はニヤニヤしながらわたしを見る
完璧に何か企んでいる
ま、まさか
滝に打たせるつもり、、、!?
わたしは苦笑いでゆっくり首を横にふる
でも桐原は笑顔でゆっくり首を縦にふる
こ、こいつ鬼だーー!
何倍にしてやり返んだよ!
わたしは桐原の腕を強く掴む
「おーい、啓
俺ら帰るけど?」
男がつばきを連れてそう叫ぶ
「泉ー、永司くんと帰るけどまだいる?」
もう下の名前で呼んでるよ
「わたしも帰るっ!」
これを回避するには今帰るしかない
桐原の顔を見ると
うわっ
全然帰る気なさそーー