イズミの主義




「ねぇ、桐原くんだよね?」



「どこ中だったの?」



「わぁー一緒のクラスだー!」




学校に着くやいなや飛んでくる女の声



高い、うるせぇ



適当に返しておく




まぁ、オレはモテる方だ


女に困ったことなんかねぇーし


その気になったら誰でも落とせる



っていうか、寄ってくる




遊びてぇーとき遊んでめんどくなったらバイバイ



適当でいい、別に向こうだってそうだし?


ただ彼氏ってもんが欲しいだけ


みんな結局は自分しか見てねぇーし

自分がいちばんかわいいんだ




んで、傷つくのはオレ


だから誰も信じない


別に誰からも信じられなくて良いし



それに適当にしとけばなんとかなる



ちょっと勉強したらこんな進学校にだって合格したし、部活だっていつもレギュラーだった




全力なんかバカバカしー




全力なんか自分を傷つけるだけ


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