イズミの主義



「桐原くーん」


毎時間話しかけてくる女たち



適当に返しとけば

「好きなの、付き合って?」


コクってくる



「いーよ」


来るもの拒まず?

そんな感じ



パシンっ!

「サイテー!真美がいるのに他の女と遊びにいったでしょ!」


女に叩かれることもある



めんどくせー

別にオレのこと信じてもないくせに


悲劇のヒロインかよ


てか、自分のこと名前で言う女無理




「なんでダメなの?じゃー別れよ」



んで、バイバイ


そんなんの繰り返し



それでみんなには


「チャラい」


そう言われるようになった






チャラいかぁー

まぁ、いい響きてはねぇーけど別にいいっか



こっちの方が楽



友達もつくんねぇーし、学校になんてなんにもない


ダチは永司で十分




休み時間にも教室にいたくないオレ



ガラッ



ドアを開けた瞬間



痛っ




誰かとぶつかった



見下げると額を手で押さえる女



「すいません」


あの時と同じように謝る姿で思い出す






あ、入学式の日の女だ




オレからすぐに目を離し教室の方へ視線を向ける女



オレにキョーミ持てねぇーの?
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