コンパス〜いつもそばで〜
「はいっ、これ」
タカシが差し出したのは、アイボリーの封筒。
それは、レースの模様に小さな赤い鍵の絵が描かれていた。
「何?」
「ヒデに」
「俺に?」
「そっ、さっき頼まれたんだ〜。ちゃんと渡したからなっ」
念をおすようにそう言われ、若干怯んでしまう。
「あ、あぁ」
封筒を受け取ると、タカシは、任務完了と訳分からないことを口にして
「まっといて。直ぐ支度するから」
そう言って汗を流す為にシャワー室へと向かう。
「あぁ」
今日は、二人で焼き肉を食べに行く予定。