コンパス〜いつもそばで〜
暫く会話もなく、車内のラジオを聞いていると、高校生だった頃流行った懐かしい曲が流れてきた。
洋画か何かの主題歌
英語だから歌えないけど、メロディだけは、よく口ずさんでいたっけ。
「あっ、俺、これ好きだった〜」
「俺も」
いつもサッカーの練習に向かう電車の中で聴いてた曲。
彼女にも聴かせてあげたことあったっけ
『何聴いてるの?』
昼休みの教室の一角で、イヤホン付けて聴いてた曲を、彼女に自分の右側のイヤホンを渡し、二人で一緒に聴いた曲
『なんかいいね、この曲』
そう言って笑った笑顔が光に照らされて、まるで何事も包んでくれる女神みたいに感じたんだ。