コンパス〜いつもそばで〜

「タカシ」

「ん?」

幸せそうな顔してケーキを食べているタカシに声をかける。


「やっぱ、迷惑だったんじゃねぇ?」

「何が?」

「ほら、ケーキ。強引に勧めたから、困ってんじゃ…」

「いやっ、ち、違いますっ!大丈夫ですっ」


俺らの会話は隣の席の彼にも筒抜けで、俺の言葉に力一杯否定してきた。



「こっちのと交換する?」

半分になったガトーショコラを指差すタカシは、俺と彼が言ってる意味が通じてないんだろう。


< 133 / 184 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop