コンパス〜いつもそばで〜

「いや、そんなんじゃなくて……
あのっ!前田のこと、どう思ってるんすか?」


彼の口から突然出てきた名前に、ドクンっと大きく胸の奥が何か強く押される感じがして、少し息苦しさを感じる。


「前、田……」

前田って、あの、前田のことか?


「前田さん?」

タカシも不思議に思ったのか、同じように隣の席の彼を見た。


「前田です。前田明日美」

彼の口から彼女の名前が出てきて、なんで彼女を知ってるんだとか、この人は、彼女の何なんだとか、訳がわからなくなる。


< 136 / 184 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop