コンパス〜いつもそばで〜
高校三年の冬に、どうしても付き合ってほしいと言われて付き合った子はいたけれど、それを彼女というのなら、彼女だったんだろう。
ただのうわべだけの彼女。
去年、プロ一年目にして怪我をして、目の前真っ暗で、絶望的になっていた時、彼女は俺に別れを告げた。
彼女は、俺がプロのサッカー選手として活躍するから付き合っただけであって、怪我をしてサッカー人生絶望的だと思った途端、離れていった。
選手として絶望的な俺の価値は、彼女にはなかったらしい。
別れて寂しいとか、未練みたいなものは特になくて。そんなものかって、あっさりしたもんだった。
付き合ってる時も、きっと、どこかで感じていたんだと思う。
彼女は、俺を見てなんてないって。
だから、別れてよかった。別れるべくして別れたと思ってる。