コンパス〜いつもそばで〜
練習が終了したのか、静かな空気が一転して賑やかになった。
何人かの選手が輪になり、リフティングゲームを始めている。
「よしっ!ヤマ、1点!」
「ちょっ!さっきのはセコいっすよ、ムラさんっ」
「っとっ……、ヤマ、2点目〜」
「えっ!今のは、なしっ」
「ありっすよ、ヤマさん」
「そ、そ。往生際悪いっすよ。ほらっ、3点目〜」
自分の元にきたボールをリフティングで返すゲームは、上手く返せなかったら、点数が加算されるんだろう。
どうやら、『ヤマさん』って人に集中攻撃らしい。
「タカシっ!」
笑い声と元気な選手たちの声、楽しい会話にこちらまで頬が緩む。