コンパス〜いつもそばで〜
何だ、これ?
そう思いながらもルーズリーフを捲る手は止まらない。
次は生物学かな?下手くそなカエルの絵が書かれていて、思わず笑ってしまう。
そうして、また下の方には
『試合、頑張れ』
と書かれた字に、ガッツポーズの絵。
「これ……」
思い出した。
隣の席の女の子がノートをいつも取ってくれていたことを。
夢中になって、ルーズリーフをペラペラと捲っていくと、まるで今の自分に言われているような彼女の言葉に出会った。
『100回やってダメでも、101回目で成功することもある。諦めたらそこで終わり。何度でも這い上がれ!』
諦めたらそこで終わり
そうだ
何度でも何度でも立ち上がろう
この言葉がどん底の自分に光を射してくれた。
ギプスが取れたのは、八週間後
軽くジョギングからリハビリを開始し、ボールを触ってのリハビリが出来るようになったのは十週目から。
そうして、仲間と合流して練習が出来るようになったのは、医師の診断通り三ヶ月が経っていた。
―――――………