【短編】7
「僕はてっきり、ミツルとカコが付き合っちゃったのかと思ったよ」

「土谷!」

ミツルがまた叫んだ。
今日はよく叫ぶ。

だけど、そんなミツルを制して、僕はカコに言った。

「カコは、金森君が好きなんだ?」

この言葉にカコの返事はなかった。

「僕がこんなコト言うのは只のお節介なんだけどさ。
今のカコは僕から見たらヒドいヒトになってるよ」


どういうこと?と、さっき僕が言った言葉と同じ言葉がカコから飛び出た。

「ミツルにはさ、好きな子がいるんだよ。
だから火野さんとはつき合えないと思うよ?」

「そうならそうと言えばいいじゃない」

「断れなかったんだよ」

「どうして?」

「好きな人に嫌われたくなかったんじゃないかな?」



僕とカコの会話を聞いていたはずのミツルは、ただ机に突っ伏していた。

僕は心の中でミツルに謝った。

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