【短編】7
月曜日、朝練を終えてジャージのまま教室に入ってきたサチは、私の席へ直行した。

「昨日のつづき?」
「うん!」


私はめんどくさそうに、ひじをついて話に耳を傾けた。

「んで?」
「私、タイチとつき合うことになったんだ」

「火野カコはどうなったのよ。
あんた先週、タイチ君と火野カコがつきあうかもって泣いてたのに」


この子の話は突拍子がなさすぎて追うのがやっとだ。


「あ、わかんない」


タイチ君のこととなると周りが見えなくなるのがサチ。
サチはタイチ君と陸上以外に絶対に興味がない。
断言できる。


「いいこと教えようか?」
「んー?」

私は自分の持っている情報の記憶の棚を開けた。

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