【短編】7
「まず、水城カコは木内ミツルと付き合い始めました。」
サチが悲鳴をあけた。
「土谷君は?淋しく………」
「それが、ならないのよね。
彼女ができたから」
「えぇぇっ!!?意味わかんないよそれ!
だって、だって、マヤ!
マヤはハルキ君のこと……」
まるで自分のことのように涙ぐむ彼女に、さっきまでの明るさは見られなかった。
「別にいいのよ私は。
ワカが幸せだと思うなら」
「マヤはワカを大事にしすぎだよぉ!」
私はハルキ君が好きだった。
だけどワカには勝てないと思った。
ワカは、私の双子の姉で、母に引き取られた。
ワカは、私に再会したときから、ハルキ君が好きだと言っていた。
まさか庇って事故に遭うとは思っていなかったけど。
それぐらい、ワカは真剣に好きだったんだろうから、私が何かを言う権利はない。