【短編】7
混乱していた理由はたった1つ。
サチのこと、だ。

俺はこのままサチに自分のコトを伝えるべきか悩んだ。
だけど、なぜかこのとき「このままじゃダメだ」と思った。

一日中授業に集中できなくて、気がついたら放課後になっていた。

今日もサチと帰る。
毎日毎日変わらないことだった。
だけどそれも今日で終わり。

サチに伝えようと、陸上部の部室前に行った。
帰りながらじゃ、言えない気がした。

サチはあまりの暑さに、頭から水をかぶっていた。
「サチ」
彼女の後ろに立った。
華奢なはずなのに、脚にはきれいに筋肉がついていた。
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