君が教えてくれたもの~友達から恋まで~
高校デビュー
「はぁ…」
朝から重い足取り。重いため息。
私、浅井悠莉。いたって普通の女の子。
でもとにかく人と話すのが苦手。
どうしても緊張しちゃう。
高校ってだけでも話せなくなるのにいったいどうしたら。
「悠莉おはよー」
後ろから声がした。
「ふうちゃんおはよ」
ふうちゃんこと向井楓華。
明るくて友達も多い、私とは正反対のふうちゃん。
学校につくと2人で教室に入った。
もうみんな来ていた。
そんな中でひときわ目立ったのが1人の男の子だった。
身長が高く整った顔立ち。
男女問わずいろんな人と話していた。
私には考えられないくらい。
「あの人すごいね」
「ふうちゃんも仲良くなれるよ」
「何いってんの。悠莉も話しかけに行 こ。」
無理やり手を引っ張られて男の子の前にきた。
「私は向井楓華。こっちは浅井悠莉。よろしくね」
みんなの視線が集まってくる。
ふうちゃん堂々としすぎだよ。
キーンコーンカーンコーン・・・
ちょうどいい感じに鐘が鳴ってくれた。