君が教えてくれたもの~友達から恋まで~
しばらくの沈黙が流れる。
もうしょうがない。
「分かりました。」
再び歓声があがる。
半分やけくそだけど。
「あの、わたしマネージャーの仕事とかわかんないんですけど」
「それなら大丈夫。山下に教えてもらって」
「分かりました。山下くんよろしく。」
「うん。言っとくけど俺教えるの厳しいよ?」
また、そんなことを。
でも私なんかできるのかな。人見知りでしかもバスケ部。
男の子がたくさんいてやってけるのかな。
「そんな顔しなくてもすぐなれるよ」
なんでもわかっちゃうな。
「今日はあれだから明日ね。もちろん朝練あるから」
朝練なんてあるの。
朝苦手なのに朝練かぁ。
「遅れんなよ」
「なんでそんなに分かっちゃうの。」
何となくと笑って言われた。
「見てるからだよ」
さらっと言われた言葉。
ドキッ。何この気持ち。
自分が意味わかんなくなってきた。
「私、帰るね。」
「送ってくよ」
「大丈夫。一人で帰れるから。」
そう言って帰った。
帰り道は、いろんなこと考えていた 。
家に帰ってからはとりあえずふうちゃんに連絡をした。
「悠莉がマネージャー?」
とにかく驚いた様子だった。
言われてみればそうかもしれない。
今まで友達と言えるのはふうちゃんだけの私。
驚くのも無理はない。
「大丈夫。山下くんもいるし」
「・・・・・・のに」
ふと聞こえた声。
帰り道は、いろんなこと考えていた