恋はいっぽから!
職員室を出て。
私は……、ふと思う。
ニシハルが考えていることは、よくわからなかったけど。
彼がくれたお菓子の味は、
なんとなくだけど……
本当に、おいしかったような。
「…………。いけない、早く行かなくちゃ。」
私は一度だけ、職員室に振り返る。
ニシハルは……
微かにタバコの香りがした。
「……しまった。タバコのこと問い詰めるハズが……!」
こうも簡単に、私が流されると思わないで欲しいわ。
ドアの向こう側。
きっと飄々ととたたずんでいるであろうニシハルを睨みつけて……
私は、その場を去って行った。