恋はいっぽから!
この2週間、
今までと何の変哲のない日々を送ってきた。
それはそれは、驚くくらいに普通で……。
この前のアレは、一体何だったのかを本人に問いてみたいものだけど……
無言の威圧感が、それを許さない。
「………。拙者用足しを忘れていた故……、お主は先に戻っていてはくれないか?」
「………。あ。わたしも行く。トイレ~。」
「………!なにゆえ!」
「………?もよおすからでしょ~?…連れション。」
「…『連れション』とは…何と、はしたない!ましてやおなごと共に行くなど言語道断!!武士道に反しまする!」
「…………。はいはい。アンタは『用事』があるのね。紛らわしいのよ。……じゃあ、お望み通り先に行かせてもらうわ。」
「……御意にございます。」
莉奈ちゃんに忠誠のポーズを示す。
「……ちなみに。…ニシハルなら次、確か2ー1で授業だよ。」
……なんたる策士!
先回りせよとの指示にありますね!
貴方様は…かの、策士で有名な『諸葛孔明』殿でございますか!
(注:いっぽは三国志のファンです)
去りゆく莉奈ちゃんの背中に……
「かたじけない……。」
小さく呟いて。
向かう先は……
「魏」であります!!
(注:1組のこと。いっぽは今「蜀」の軍に従じているつもりです。by三国志)