恋はいっぽから!
話は数分前に遡る……。
校門前。
いつものように、赤ポル〇ェのイケメン執事に見送られ、
周囲の高貴な目に……
ちょっぴり優越感(?)に浸っていた私。
上機嫌で歌を歌って歩いて行くと……。
目線の先には、これもいつもの如く、ニシハルの背中と……、
「…………。」
おや……?
その隣りに何故か、白衣の魔女……。
誰も二人の間に割り込むことができず、
すぐ後ろを……
お姉様方が、睨みをきかせるようについて歩いていた。
「………。相変わらずモテるのね。」
それでも、「悪友」と位置付けていた彼女を気にするほど、私も野暮ではない。
「……それよりも……」
……と、
本日行く予定の初カラオケへ向けて…
私は歌の練習を続行。
「♪〇の事をからかったの?あんなに好きと〇〇〇〇〇♪」
あら…?案外音程が低いわ。
「♪〇のどこを気に入ったの?〇はもう要らない?♪」
…と、その時。
肩をポンっと叩かれて。
振り返ったそこに、
莉奈ちゃんが……!
なにやら、神妙な面持ちだけど……?
「♪君と手を…♪」
「…………。」
「♪沢山の人混みの中で…♪」
「……………。」
……そ……、そんなに気に入らないのかしら、私の歌声……。
この歌でノって来ない方がいるとは……!!