恋はいっぽから!
「……女々しくて 〇〇しくて 女々〇〇〇♪辛いよ~ぉおお~♪」
(注:今やカラオケの定番・ゴール〇ンボ〇バーさんのヒットソングです。)
…さあ……、
夜なべして練習したこの跳ね具合はいかが?!
「……………。」
……あら……。
無反応?
「では……!!」
今度は横へと軽やかステップ!
肩に手を置き、足でリズムをとって……
お次は反対側へ……!
「………いっぽ、我慢はするな。」
「…………?!」
莉奈ちゃんは、金バクをスルー!!
私をずるずると引きずって……、
急ぎ足で歩いて行く。
「………?」
白い息を弾ませて、
真剣な瞳で真っ直ぐに前を向き……。
「……紺野センセー!!」
そして。
「…あら、太田さん。…と、三船さん。おはよう。」
なぜ…、魔女の元へ?!
「おはよう。」
もちろん、隣りのニシハルも…
こちらに振り返って挨拶する。
「仁志先生、お話し中にすみません。紺野先生にご相談したいことがあるので……」
莉奈ちゃんがそこまで言うと、
魔女はニシハルの顔をチラリと見た。
「…なら、保健室に行きましょ。」
それから、私達の顔を交互に見比べて……、くすりと笑った。
……この魔女は…
一体どこまで状況を把握しているのでしょう。
背中でピースサインを送る莉奈ちゃんのその行動は……、
明らかに私の為であること…間違いなし。
ええ、
先程の歌の歌詞を考えれば……
莉奈ちゃんがこんなことした理由がよく解るわ。