恋はいっぽから!
こんこんと…降り積もる雪。
家の庭も……
ホラ、こんなに素敵な雪化粧が施されていて。
「雪やこん〇あられ~やこ〇こ…♪」
ギュッと握って……
「降っては♪降っては…♪」
ギュッと握って…。
「ずん〇〇積もる♪」
コロコロ~
コロコロ~…………。
「……合体…ッ!」
……清々しいほどの……、達成感!!
横一戦に並んだ『ソレ』は……
にこりと私に微笑みかける。
ちょうどその時……、
私のすぐ背後で、凍結した窓が…ぎこちない音をたてて開かれる。
くるり。…と後ろを振り向くと…。
口をぽかんと開けた母上が…
そこに立っていた。
「…ちょっと…、一歩?アナタこんな所で何をしてる?」
「なにって……見てわかりませぬか?」
「…………?」
黙々と作り上げたこの力作……!!
極小、小、中、大、特大……!
サイズはひと通りとり揃えております。
「……ええと…、マトリョーシカ?」
「…………。」
…………。
アラ。ホントだわ。
「…でも…、違います。」
「そうね、つまりは雪ダルマよね。」
「いーえ。」
「………えっと。とりあえず中に入りなさい。夕飯できたわよ?」
母上……。
正解がわからないのね。
君は卑怯だよ。
(注:ちびま〇こちゃんに出演中のナガサワくん風に)
「母上。これは……、雪坊主です。」
「……?!…雪だるまと何が違うのかしら。」
「母上。見て下さいませ、この大雪を!!」
「………。」
「…このまま夜は降り続き、明日は時々吹雪を伴う雪模様……!明日はクリスマスイブです。これじゃあ恋人達がおちおち外も歩いてられないわ。」
「……つまり?」
「つまり。てるてる坊主ならぬ雪坊主をつくってみました。」