恋はいっぽから!
「先生を幸せにできるのは…、私ではありません。」
「…………。」
「あなたには…、大事にしなければいけない相手がいることも…知っています。」
「………は…?」
「それでも、私の中ではあなたが人生の灯であって…、いつも、いつでも私の進む道の先を照らし、導いて下さいました。…それは…きっとずっと変わらないのです。」
「…………。」
「…今日このことも。……感謝しています。」
「三船…」
「ひとつだけ、後悔があるとすれば。……あなたを…救いだせなかったこと。傷つけてしまったこと。」
「……三船…?何言って…」
「先生の過去に…飛び込む勇気がありませんでした。今に精一杯で…気づくこともできませんでした。彼女に言われるまで……。なんて情けなかったのでしょう。」
「…………。三船…。お前はなんか勘違いしてる。」
「………え?」
「勘違いしてる。」
「………?」
「おれにとって、お前だけが…唯一の光だった。」
「…………。」
「…ひとつひとつ…その光が俺の中で増えていくんだ。お前が…笑う度。それが消えてしまわないように、ずっと輝いていけるようにしたいって、そう思ってたよ。」
「………。」
「お前に、俺の過去と心中してもらおうだなんて一度も思ったことはない。むしろ、先のことばかり…考えてた。自分でも驚くくらい前向きだったな。」
「………え?」
「……。けど、間違った選択肢だけは選ばせてはいけない。」
「…………。」
「だから、『ありがとう』はこっちの台詞なんだよ。出会って、好きになってくれて、少々ぶっ飛んでるけど…真っ直ぐにぶつかってくれた。俺ん中で革命を起こしたのは…間違いなく、お前だよ。」