恋の飛沫
「とりあえず、これでも着てなよ。制服のままってことは、今ここには着替え、ないだろ? 俺はTシャツ着てるし、それに・・・・・・目の毒だし」

 少し眼を細めた近藤に、夏帆は、はた、と自分の身体に視線を落とした。
 制服のまま、ということは、下半身はともかく、上半身はスケスケ・・・・・・。

 慌てて夏帆は、腕を己の胸元に巻き付けた。
 夏服はシャツ一枚。
 下着がばっちり透けている。

「ふふ。ま、助けてあげたお礼、と思っておくよ」

 相変わらずにやにやと、近藤は濡れた髪を掻き上げる。
 堪らなく恥ずかしいが、何故か今の近藤は、非常に格好良い。

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