私の恋の相手は幽霊くん。
「最近、佑樹が構ってくれない」
そう、つぶやく先輩。
佑樹は先輩の彼氏だ。
「忙しいんですか?編集部」
「夏の特集に追われてるみたい」
「そうなんですか…」
「家に帰ってくるのも遅いの。
結構、これでも心配してんのにさ」
むっと膨れる先輩はかわいい。
仕事のスイッチが切れたとき、
先輩は本当にかわいい女子になる。
どんな、テクニックなんだか…。
「きっと、伝わってます」
「佑樹は、無関心すぎるのよ!
乙女心に疎すぎるのよ」
「そうですねー」
「なのに、好きなんだよ。
あぁ、あたしってほんと、痛い」
「そんなことないですよ」
「そういえば」
そう言って、
おつまみを食べると私を見た。
「運命の人は見つけられたわけ?」