私の恋の相手は幽霊くん。


自分で言っていて悲しくなった。


そうだ、すきじゃなかった。


もし。


もし、死んでいなかったら。


彼は私を覚えててくれてるのだろうか。


もはや、記憶からなくなっている。


私はそう思う。


「あんたなら、もっといい人見つかるさ」


「そう思いますか?」


「あぁ」


「なら、その言葉信じます」


もう、会えない人を追いかけるのはよくない。


わかってる。


諦めなくちゃいけない。


何度も思ったよ、そんなこと。


だけど。


篤真を求めてしまう。


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