私の恋の相手は幽霊くん。
「ねぇ、結愛」
「んー?」
「篤真くんのこと、もういいの?」
「よくないけど、いい」
「どういうこと?」
「追いかけても追いかけても届かないんだもん」
彼はもう、ここにはいないから。
新しい恋へ向かわなくてはいけない。
「そっか」
「急にどうしたのさー」
「いんや、別にー」
そのあと、私の家に来て、
語り尽くすと、そのまま泊まりになった。
「あ、愁?」
『あぁ』
凛子がお風呂に入っているあいだに電話する。
「今日、うちに泊まるから」
『ん。』
「…ありのままに戻して返すね」
『はは、よろしく』
電話を切ると、私はベッドを見た。