私の恋の相手は幽霊くん。


私は病院に来ていた。


篤真に会うために。


そして、102にきている。


そこには、“坂上篤真“と書かれていた。


緊張して、手が震える。


ドアノブを掴んで、10分くらい。


いきなり、ドアがあいた。


「うわっ」


中から出てきたのは、
幽霊の時よりも身長が大きい篤真。


やっぱり、すごく綺麗な顔。


会いたかった!


そう、笑顔で言おうとした。


「あんただれ?」


その言葉を言われるまで。


「…え?」


「ここ、俺の個室なんですけど。
部屋間違えてませんか?」


「いや、ここ…です」


泣いちゃ、泣いちゃダメ!


「でも…」


「忘れ、ちゃったんだね」


「え?」


「…お父さんに会いに行ったのに。
たくさん話したのに。いたのに。
私のこと、覚えてないんだね」


それだけ言って、私はそこから離れた。


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