私の恋の相手は幽霊くん。
なんか、もう、いろいろやばい。
私はぎゅっとスーツを掴んで泣いた。
止まらないなら止まるまで泣く。
そうすることにした。
「ゆあ、遅れてごめん」
「篤真…っ」
「思い出したんだ。
意識がなかったときのゆあとの思い出」
「うわぁぁぁぁんっ」
声を出して泣いた。
辛かったから。
思い出して欲しかったから。
それに。
篤真が助けてくれたから。
「辛い思い、させたね」
優しく、私の頭を撫でる。
車で、運転席と助手席。
間を埋めるように、抱きしめてきた。
私も抱きしめ返す。
「やっと、触れられた」