私の恋の相手は幽霊くん。
初めてのデート。


「ん…」


ゆっくり、まぶたを開けると、
そこには光とともに視界に入る、
綺麗な篤真の寝顔。


「篤真…」


まだ、夢なんじゃないかって。


そう、思ってしまう。



「寝てる…よね?」


そっと、頬にキスをしてみる。


これで確かめようとするなんて、
私は本当に馬鹿なんだと思う。


目の前にいるだけで。


触れられるというだけで。


こんなにも幸せになれる人が
いるのだろうか。


ついつい、にやけが出てしまう。


「ねぇ」


そんなにやにやの顔をまっすぐ見つめる瞳。


「ええぇっ?!」


起きてたんですかーっ!


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