私の恋の相手は幽霊くん。
「よかったな」
そう、ほんとによかった。
想いが届いたんだから。
「それでな、松永」
「はい」
「あたしからも報告があってな」
まさか…!
「結婚することになった」
「ほんとですか?!」
「松永!うるさいぞ!」
部長に喝を入れられて、
すみません、と頭を下げてまた先輩を見た。
「いつですか?」
「まだ、決めていないが…
仕事は辞める予定だ」
先輩が辞めてしまう。
それは、私の心の支えが近くでいなくなるわけで。
「大丈夫だ。
松永にはもう運命の人がいるだろう?」
そう言って、幸せそうに笑った。