私の恋の相手は幽霊くん。
部屋に入ると、
そこには篤真がベッドに座っていた。
「おかえり」
「…ただいま」
なんでこいつはこんなにくつろいでんの?
少しずつ、不満が怒りに変わってくる。
「どうだった」
「…あんた、自分のことなのに人に任せっきりってわけ?あり得ないんですけど」
「は?」
「こんな、人ん家でくつろいで…っ!
てか、そもそもなんで私がこんなに一生懸命になってやってるわけ?」
馬鹿馬鹿しい、そう言うと篤真は俯いた。
幽霊とはいえ、
霊感のある人から見れば至って普通の人。
そんな人が泣いてるのか、笑ってるのか。
それぐらい、すぐにわかる。
何でよ、
「何で泣いてんの」
俯いているから、滴が下に垂れていく。
「っ…ごめん」
「何が?」
「急に頼んでごめん」
「いや…」
「迷惑だったよな、ごめん」