私の恋の相手は幽霊くん。


ごめんしか、言わない。


どうして…?


どうして泣くの?


「俺はここでくつろいでたわけじゃない」


「えっ」


「ずっと、ゆあの側にいたら迷惑だって思ったから」


「…どうして?」


「あの、男の子だよ」


男の子…?


愁のことかな?


「愁…?」


「名前までは知らない。
だけど、そいつといい雰囲気だったから、
俺が見えるゆあは気まずいかなって思ったんだよ」


俺なりの配慮。そう言って顔を上げたとき
ふわっと笑った。


誰もが虜になってしまうような笑顔。


そんな笑顔で私を見つめる。


私はわからないけど、
この人は私を撰んでくれたから頑張ろうって
そう、思えてしまった。


わかんない。


けど、この関係がなくなるのが

少し寂しいとも思った。


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