私の恋の相手は幽霊くん。
仕事を終わらせて、
編集部の方へ足を運ばす。
内心、どきどきしていた。
もしも。
もしもまた、あの人といたら。
すごく、近づいたら。
私は笑顔で篤真を呼べるだろうか。
「坂上部長」
「ん?」
角を曲がろうとしたところで足を止めた。
あの時の声がしたから。
「今日、空いてますか?」
「俺、今日は予定が入ってるんだよね」
「なら、明日は…」
「午後なら」
「あの…相談したいことがありまして」
「あぁ、わかったよ」