私の恋の相手は幽霊くん。
「早くしないと、送ってくれないよ?」
笑いながら先輩は私のカバンを渡してきた。
「笑顔がいちばんっ!」
「先輩…」
「ほんと、松永は顔にでやすい」
「気を付けます!」
「いくぞ」
「それじゃ、失礼しました」
「またおいで」
「はいっ!」
先輩の家から出ると、
坂上くんが私を見てきた。
「あんたって、笑ってる方がいいよ」
「…え?」
「変に作り笑いしてるより、
普通に笑ってる方が可愛いと思う」
え、口説き?!
「…顔に出やすいとこは直しとけ」
また、言われてしまった。
気を付けなきゃなぁ。
「坂上くん」
「なに」
「…浮気だと思う?」
「さぁな」
「…」
「見てないやつに聞くなよ」