私の恋の相手は幽霊くん。
そう言うと、
ドアが勢いよく開いた。
「ゆあ」
「…」
「…ごめん」
そう、弱々しく言った。
「あの時、俺は嘘ついた」
「…」
「俺からじゃないし関係ないって。
自分の中だけで、終わらせてたんだ」
「…」
「だけど…」
「もう、いいよ」
「え?」
「それ以上言われても辛いだけ」
そんな話されたら、思い出してしまう。
あの、土曜日の午後に見てしまったもの。
あんなにも着信とかくれたのに。
その人には会うんだって。
笑顔見せるんだって。
あの時の気持ちわかる?
「ねぇ、篤真」
「…」
「私って篤真が思ってるほど、
いい子じゃないんだよ…ごめんね」