私の恋の相手は幽霊くん。
石原くんは私が退屈しないように、
いっぱい話してくれた。
ご飯を食べて、外に出ると、
ぎゅっと手を握ってきた。
「今日だけ。おねがいします」
「…うん」
「次、どこ行こうかなー」
「あそこ、行きたい」
そこは小物ショップ。
凛子たちに会った小物ショップだ。
「なら、行こ」
改めて中を見ると、かわいいものでいっぱい。
あの頃にも置いてあったもの。
なくなったもの、新しく置いてあるもの。
いろんなものを見ていると、
やっぱり篤真を思い出してしまうわけで。
ついつい、ため息が出てしまう。