私の恋の相手は幽霊くん。


石原くんは私が退屈しないように、
いっぱい話してくれた。


ご飯を食べて、外に出ると、
ぎゅっと手を握ってきた。


「今日だけ。おねがいします」


「…うん」


「次、どこ行こうかなー」


「あそこ、行きたい」


そこは小物ショップ。


凛子たちに会った小物ショップだ。


「なら、行こ」


改めて中を見ると、かわいいものでいっぱい。


あの頃にも置いてあったもの。


なくなったもの、新しく置いてあるもの。


いろんなものを見ていると、
やっぱり篤真を思い出してしまうわけで。


ついつい、ため息が出てしまう。


< 224 / 255 >

この作品をシェア

pagetop