私の恋の相手は幽霊くん。


もしかしたら、
向こうの世界に戻ったのかもしれないな。


そう、ポジティブに考えた。


窓から外を眺める。


「結愛ー!」


下から私を呼ぶ声。


下を見ると、愁がいた。


「どうしたのー?」


「これから出かけるだけー!
いたから、声かけてみた」


そう言って笑う愁。


こんな笑顔見たらみんな落ちちゃうよ。


「気をつけてねー!」


「うん!」


自転車に乗って、遠くなっていく。


愁もいなくなった。


なんだか、寂しくなってしまった。


< 35 / 255 >

この作品をシェア

pagetop