私の恋の相手は幽霊くん。
1人、私の前でテンパっている凛子。
落ち着くまで待つことにした。
「もう、だめ」
「なにが?」
「…あたし、愁がすき!」
急に叫んだからびっくりする。
窓が開いてたから、
急いで閉めて凛子を見た。
真っ赤な凛子はぎゅっとスカートを握って
私を見つめていた。
そっか。
私と愁が付き合ってるから。
だから、凛子は我慢してたんだ。
「ごめんね、結愛」
「ううん」
「私、結愛が篤真くんがすきって言ったとき
心の中ですごくすごく嬉しかった」
「うん」
「…最低だよね。
友だちが悩んでるのにあたしは
自分が近づけると思って嬉しく思っちゃうの」