私の恋の相手は幽霊くん。
「そんなこと言わないで」
そう、凛子は耳元で言う。
「結愛が幸せになれるのならって
そう思って自分で選んだ道なんだから」
最低なんかじゃないよ。
凛子は最高の女の子で、
私のたった1人の親友だ。
凛子が帰った後、
私は愁に会いに行くことにした。
凛子のためにも、愁のためにも。
そして、自分のためにも。
こんな関係は終わらせなくてはいけない。
私は、意を決してインターホンを押した。
『はい』
「結愛、だけど」
『どうした?』
「話したいことがあるの」
『…あぁ』
きっと、分かったんだと思う。
ゆっくりと開いたドアから見せた愁は
優しい笑顔で迎えてくれた。