私の恋の相手は幽霊くん。


「愁っ…ん」


強引にキスをされる。


こんなにも荒々しいキス。


愁じゃないみたいで怖い。


「俺はっ…結愛の中に
俺じゃない誰かがいるのはわかってた。
それでも黙ってた。
電話してるのだって知ってた。
俺には見せない表情をすることだって…」


そう、言いながら私の手首を掴む。


痛い。


なのに、怖くて声が出ない。


愁の言っていることは、
今まで抱えていた私への気持ちで
この痛さは愁の今までの心の痛みだ。


ごめん。


本当にごめんね。


そう言うしかない。


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