私の恋の相手は幽霊くん。
明日が休みの私は夜遅くまで彼と話した。
「ねぇ、ゆあ」
「ん?」
「…俺のこと知りたい、とか思わないわけ?」
「思うよ、そりゃ」
急に現れて、父親を探せだなんて。
まず、あんた誰って感じ。
私くらいだと思う。
幽霊相手にこんなにも正気でいられるのは。
今まで霊感なんてなかったのに。
「あなたはいつから幽霊なの?」
さっき2つ下だと、そう言った。
「俺はねー、つい最近だよ」
「つい最近?」
「そう。
この間、大きな爆発事故あっただろ」
「あぁ」
「それで倒れてきたモノに頭ぶつけちゃって
それからは全然記憶にない」
その事故は知っている。
どこのテレビ局も取り上げたから。
それほど悲惨な事故だったんだ。