私の恋の相手は幽霊くん。
「えっ…でも」
「ん?」
「その事故で死者はいなかったんだよ?」
奇跡的に出なかった死者。
それは誰しもが喜んだ。
あんなにも、大きな爆発があったのに、
1人もでなかったのだ。
「それ、どういうこと?」
「そのまんまの意味、だけど」
「俺は死んでないの?」
「いや、でも幽霊でしょ」
「あ、あぁ」
だって少し透けてるもの。
あれは、隠されたのか。
会社側が隠蔽したのだろうか。
それが少し気になった。
「ま、いーや」
「いいの?」
「ゆあと逢えたから」
この人、前職、ホストだったの?
それくらい言葉がうまい。
「ホストじゃなかったからな。
こう見えても一流の会社に入ってたんだ」
くすっと笑う。
「なんでも、できちゃうんだね」
「まぁね」
この人、よくわからない。