愛のガチ契約
「ってー…。」
飴子は頭をさすりながらしぶしぶボロ一軒家を後にする。
「あ、時間時間っとー」
飴子は制服のポケットから携帯を取り出す。
「…ふがっ!!?10分前?」
飴子は走り出す。
飴子の担任で風紀委員を受け持つ寺田先生こと鬼寺は遅刻にめちゃくちゃ厳しい。
担任の鬼顔が頭をよぎる。
飴子は牛乳で伸びた足を懸命に動かし、学校へ向かう。
「どぉーーーっ!!!」
叫び、時には歯を食いしばって飴子が走る中。
一台の黒ベンツが
飴子を追い抜かす。
「ぁんの金持ちベンツ…
楽々とあたしを抜かしやがってぇ…」
飴子は黒ベンツを一睨みすると
全力で学校を目指した。
もちろん、黒ベンツを敵にして。
飴子の足はどんどん速くコンクリを蹴っていく。