先生に会いたい
第1章

怖い先生



楽しい中学校生活も、残すところあと1年。


長い間、仲間たちとやってきた吹奏楽も、あと少しで見納め。



私は、今日も3階の音楽室のベランダからサックスを吹く。


グラウンドが一望できるこの場所は、私の1番お気に入りの場所。



「お前ら!いい加減にしろ!」



グラウンドからの怒鳴り声が、3階の音楽室まで響く。


私の周りで練習していた後輩たちも、思わず演奏を止める。



またか。


私は溜息をつきながら、運動場に視線を落とす。



声の主は、サッカー部の顧問の先生。


この学校で1番怖いと言われている、




城島先生……



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