先生に会いたい
「桜!やっぱりここにいた!もぉ~!授業サボるなって言ったのに!もう昼だよ!?」
「え!?もうそんな時間!?」
私はベッドから立ち上がり、くるみに駆け寄った。
先生も立ち上がり、私とくるみのやりとりを微笑ましく見ていた。
「先生とずっと話してたんだ!」
「え~!?あんな怖がってたのに!?」
先生は、くるみの言葉にまた笑った。
『桜~!お前どんだけ俺のこと怖がってたんだよ!』って、私の頭をポンって……。
なんか、顔が熱いんですけど……。
「やっべ!俺もう行かねぇと!くるみ、桜頼むな!」
先生は保健室の時計を見上げて、突然大声を出した。
くるみはびっくりしていたけど、私はもう慣れちゃった。
先生の大声が、結構好きになっていたりする。
そして、先生は小走りで保健室を出て行った。
その後ろ姿を目で追いながら、『いい先生だね』って言った、くるみの言葉が嬉しかった。
やっぱりくるみも、先生を一瞬で分かってくれた。
そのくらい先生はいい先生なんだ。
教室に戻ると、愛梨が心配して駆け寄ってきてくれた。
それから、私は愛梨と仲良くなった。
学校が楽しくなった。
先生が、私に魔法をかけたんだ。