先生に会いたい


先生は体育教師でもないのに、私が入学したときからずっとジャージ。

それも、青ばっかり。


はたから見たら、完璧体育教師。

でも、スポーツ万能な先生のことだから、体育教師なんかやったら、きっと先生のファンが増えちゃうね。


先生がサッカーボールを蹴る姿なんて、もう本当にかっこいいんだから……。



受け持っている学年が違うから、授業以外で先生に会うことはなかなか難しかった。

同じ場所にいるとは思えない。


それでも時々廊下で会ったりすると、先生は『よぉ!』と声をかけてくれた。

声をかけてくれなかった時は、ひどくがっかりした。


いつも先生を探してるくせに、いざ会うと、どうしようもないくらいドキドキして、自分から声をかける勇気が出なかった。


あとで『先生!廊下ですれ違ったの、気付いた?』って聞くと、『うっそ!全然気付かなかった。ごめんな。』って言って、大きな手で私の頭を撫でてくれるんだ。


ドキドキは最高潮。


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